サッカーはウイイレじゃない。
「何を見るべきか?」は
コーチが指示するもの??
「判断おせーよ」
「バタバタすんな」
いくら足元があっても状況判断が悪いと
✔︎チームのパス回しを止めてしまう
✔︎味方の動き出しを無駄にしてしまう などなど
自分が失うだけでなく、
チームに悪影響を与えてしまうため、
状況判断力は今すぐにでも解決すべき
スキルであるとこれまで話してきました。
そしてそのためには「見る」ことが重要で
「何を見るべきか」目標物が決まっている選手が
良い判断をすることができるということでした。
「じゃあ何を見れば良いの?」
「やっぱ相手を一番見るべきなの?」
これまでの状況判断の研究で、
上手い選手が「相手を見てプレーしてる」
ということなどが明らかになってきていますが、
ただ単に上手い選手の真似をして、
「相手を見よう!」と思って相手ばかり見ていては
スペースや味方の動きに気づけないかもしれません。
確かに上手い選手は相手をよく見ていますが、
時によってはスペースを見ていたり、味方の動きを見ていたり・・
とそれは状況によって様々です。
ですが、絶対に共通しているポイントがあって、
それは何を見るべきかを「自分で決めている」という点です。
要は「この状況だったらこれを見よう」という風に
自分で判断し、自分で決めているということ。
なぜこんなことができるかというと、
「なぜそれを見れば良いか」という理由がわかっているから。
(本人が言葉で説明できるかどうかは置いといて)
この状況では
「相手が後ろから来るかもしれないから」(理由)
→相手を重点的に見ておこう(意志)
この状況では
「味方が動き出しそうだから」(理由)
→見方を重点的に見ておこう(意志)
という感じで、
「なぜそれを見るべきか?」に対して
しっかり理由付けができているわけです。
だから、「相手を見るのが大事」
ということがわかっているだけでなく、
「なぜ相手を見るのが大事なのか?」
ということがわかっている必要があるんです。
これらのことを踏まえると、
指導者である僕自身も、選手に対して
「〇〇を見ろ!」と見るべきものを指示するのではなく
「何でそれを見るべきなのか?」を
考えさせる指導をするべきだと感じます。
Williams et al (2002)の状況判断の指導に関する研究では、
「何を見るべきか」を伝えて学習させる顕在学習は、初期段階の選手に対しては効果的である一方で、様々な状況に対応するための柔軟性を発達せることが難しく、未熟練者のスキル向上には効果的でないことが指摘されています。
さらに、Smeeton et al (2005) の研究では、
自ら考えさせる誘導発見学習の方が顕在学習と比較して学習効果が頑健だったと報告されています。
サッカーの試合において、
良い判断をするためには
「何を見るべきか」を
明確にすることは重要である一方で、
指導者がそれ(何を見るべきか)を指示することは
選手の柔軟性や対応力の発達を阻止してしまうことにもなるかもしれません。
だからこそ、選手自身が
「何を見るべきか」を自ら考えられるように
指導者が選手に対して
与えすぎないことも大事なんです。
どんな指導が良くてどんな指導が悪いのか、は一概には言えませんが、
試合でプレーするのは選手自身なので、選手の自主性や考える習慣を
誘発できる指導者はやはり一流であると思います。
僕自身も指導者として常に学び続けて
皆さんがより効率よく、楽しくレベルアップできるように
努力をし続けるので、これからも一緒に頑張っていきましょう!
今日はこれで失礼します。
ではまた^^
けーすけ。